キッチンカウンター収納3
今回は素材についてです。
デザインが決まったら、素材を決めていきます。素材というのはもちろん〝木〟のことですが、家具には多くの場合、広葉樹が使われます。
木には広葉樹と針葉樹があることは知られていますが、そのなかにどのような材種があるかご存知でしょうか?
身近に建築構造材として使われる、杉、檜、松などは針葉樹です。
広葉樹は日本では堅木とよばれ、英語ではhard woodと呼ばれています。
また、広葉樹にも環孔材と散孔材があり、環孔材にはナラ、タモ、ケヤキ、クリなど散孔材にはサクラ、カバ、ブナなどがあります。
環孔材と散孔材の違いは輪切りにした面、木口を見ると違いが分かります。水を吸い上げる道管の並び方の違いで、その違いが木の表情となって現れます。環孔材は木目はくっきりとして、木肌は粗めです。一方、散孔材は木肌はなめらかで木目ははっきりしません。
家具として使用する場合、木材の性質も大切で、強度や粘り強さも加味して使用する材種を選びます。
木は同じ材種でも育った環境や時代によって木目や質量に違いがでます。これが木の個性であり多様性です。写真のように柾目と板目では木の表情も変わってきますし、塗装方法によっても大きく違います。
だいたいの感じを掴んでいただくために、お客様にはサンプルで色々な材種をお見せし、好みの材種を選んでいただいています。
今回は既存の吊り戸棚の扉がナラで制作されていたので、材種をそろえるためにナラを使用することになりました。
つづく