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漆塗り1



漆刷毛

今回は漆についてです。

漆は漆の木の樹液で、樹液溝という縦長の細胞組織内にあります。漆液は表皮をはぎ取り、掻き鎌という道具でこの樹液溝に傷をつけて採取します。採取した漆液には木屑や埃などがまざっていますので、ナヤシ、クロメなどの過程を経て精製漆となります。初心者向けにチューブに入ったものが売られていますので、これを利用すれば手軽に漆塗りに挑戦出来ます。

 塗りの道具には、漆刷毛、へら、定盤、つく棒などがあります。漆刷毛は髪の毛を糊で固め、薄い板で囲った物です。使い始めには、調整が必要ですし全通しと呼ばれる物は高価です。へらは漆を練ったり、塗り付けるのに使用します。市販の物もありますが、檜の柾目材などで自分の使い易いように自作します。定盤は厚めのガラス板などで代用出来ます。

 他の塗料と違い、漆は湿度80%、温度20度という特異な環境で乾燥が促進されます。そのために、風呂とよばれる乾燥室を用意する必要が有ります。プロの塗師は大きな水屋のような乾燥室を使用し、回転装置などのついているものもあります。少量の塗りであれば、埃が入らず、湿度、温度が一定に保たれればよいので段ボール箱でも代用出来ます。

つづく

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