曲木技法2
木を曲げる方法はいろいろありますが、大きくは積層曲げと無垢材の曲げに分けられます。
上の写真は積層曲げです。積層曲げは、薄く加工した材料を重ねて曲げる物です。同一材から取った薄板であればほとんど積層部分は目立ちません。
欲しいカーブの型を作り、薄板を曲げボンドで張り合わせクランプで固定します。ボンドの水分で含水率が高くなっているので十分に乾燥させた後に、型から外します。
この方法だと、型を作るだけでよくスプリングバック(曲げ戻り)も起きにくいので、同じカーブの物をたくさん作るのにむいています。
下の写真は無垢材の曲げで、椅子のアーム部分や笠木などによく利用されています。
無垢材の曲げは、挽き曲げ、冷間曲げ、薬品につける曲げ、熱間曲げが代表的な物です。
冷間曲げは薄い板を水につけた後、曲げて固定し曲げる方法です。挽き曲げは曲げようとする面の内側に鋸目を入れて曲げる方法です。薬品につける曲げは化学薬品を木材に含侵させ、曲げる方法です。アンモニアやアルカリ溶液を木材に浸透させる事で、木材の内部組織を軟化させ曲げる事が出来ます。熱間曲げは材料に熱を加え曲げる方法です。
無垢の材料を曲げるのに広く行われているのは熱間曲げで、次回は熱間曲げを紹介します。