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ウインザーチェア2


アーコール

ウインザーチェアのつづきです。

 ウインザーチェアは木を組み合わせて作られたシンプルな椅子です。

ウインザーチェアが普及し始めた当時、イギリスでは家具は装飾がほどこされた高価な物で財産として扱われていました。しかし、丈夫で廉価な椅子が登場し都市部の人たちは軽蔑をこめて、ウィンザー地方から来る安物の家具「ウィンザーチェア」と呼ぶようになったともいわれています。

 初期のものは挽物加工された装飾的な脚が多く見られますが、時代を経ていくにつれシンプルなデザインに洗練されていきました。

近年ではジョージナカシマやウェグナーなど多くのデザイナーがリデザインを試み、名作を残しています。

 日本では数年前からアーコール社のウィンザーチェアが流行しています。マーガレットハウエルが復刻し、雑誌やCMで使用され流行したようです。

 アーコール社はイギリスの老舗メーカーで数多くのウインザーチェアを製作しています。写真はアーコール社で最も知られているうちの一つキッチンチェアのオリジナルで1960年代の物です。構造的には背のスピンドルが座面ではなく、脚の貫部分に接続され構造的に強化するとともに、デザイン上の特徴となっています。

 我が家に来たときは製造からすでに40年の年月がたち何度かのリペアの跡が見られました。傷や汚れはありますが、使用に差し支えのあるがたつきはありません。ウインザーの特徴である座面と他の部分の材種の違いによる濃度差もみられ、使い込まれた風格がただよっています。

半世紀以上も使用され、この椅子もさぞかし幸せでしょう。

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