椅子2
今回は椅子の続きです。
武蔵野美術大学名誉教授の島崎信氏によると椅子の系譜は、明式家具、ウインザー、シェーカー、トーネットの4つに分けることができるそうです。
明式の代表的な椅子はハンス・ウェグナー「Yチェア」、ポール・ケアホルム「PK11」など。
ウインザーには、ジョージ・ナカシマ「コノイドチェア」など。
シェーカーにはジオ・ポンティ「スーパーレジェーラ」、リートフェルト「レッド アンド ブルー」など。
トーネットには、エリック・アスプルンド「ヨーテボリ」やアルネ・ヤコブセン「セブンチェア」などが分類されています。
チャールズ・イームズの「DSS」がトーネットに分類されていたり、ピエール・ポーランの「リボンチェア」がシェーカーに分類されていたりと、4つに分けるのは少し無理があるように感じますが、造形性、技術性、思想性を定義し分類する限りでは、その範疇に分類されるのかもしれません。
有名な作品でも造形的には優れていても、座り心地においては劣る物もあります。これらの椅子は、大変有名な物なのでデザイナーや作品名を知らなくとも、雑誌や飲食店で目にしていると思います。椅子は使用する人の体型によっても座り心地が変わってくるので、これらの作品を見かけたらぜひ座ってみて自分に合う椅子はどんな物かと考えていただきたいと思います。
参考文献:「近代椅子学事始」ワールドフォトプレス刊