椅子の修理/ウインザーチェア1
今回も家具の修理例をご紹介します。
ウインザータイプの椅子2脚で、両方とも座面が割れています。片方は、前足部分の貫が折れています。
通常、ウインザーチェアの座面は1枚板か2、3枚の板を矧ぎ合わせますが、ご依頼の椅子は小幅の板を何枚か矧ぎ合わせています。
2脚とも同じ場所が割れているのはその部分に最も荷重がかかるからです。座面が割れているといっても板が割れているのではなく、接合がはずれているといった方が良いでしょう。通常、矧ぎ合わせには実(さね)を入れて接合を強化しますが、ご依頼の椅子には実が入っておらず、いわゆる“いもはぎ”となっています。
この椅子は現在もある有名メーカーのもので、デザインも良く座面の作りの他はよくできています。40年以上前のものですが、ホゾはしっかりと組まれていて分解に苦労しました。
つづく