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山桜ダイニングテーブル5


以前、このコラムで書きましたが、木は空気中の水分を吸ったり吐き出したりして呼吸しています。

 これが無垢の家具の特徴で、テーブルの天板など幅の広い物は特に大きく変化します。十分な反り止め加工がなされず、天板が大きく反り返っているのを見た事があるかたもいらっしゃると思います。十分乾燥させた厚板であれば、大きく反ることは無いかもしれませんが、通常の厚みのものであれば反り止めの加工が必要になります。

反り止めの方法には、裏に金属の板を取り付けたり、天板の端にハシバミというものをつけたりといろいろとありますが、今回は形が楕円であり、厚みが30mmなので最も一般的な吸い付き蟻桟という方法にしました。簡単に言うと吸い付き蟻桟は天板に溝をほって、スライドさせて反り止めの部材を入れる方法です。

溝と部材は先細りになるように、同じ割りあいでテーパー加工をしておきます。そうすることで、奥まで入れた時にぴったりと吸い付き、反り止めの役割をはたします。

 木材は幅方向には変化しますが、丈方向にはほとんど変化しません。天板に対し直交するように反り止めを施す事により、木の変化は妨げず反りも止まる仕組みになっています。

ゆるければ、意味が無いしきつければ入らないので慎重に現物合わせで加工して納めます。

写真の位置程度まで手で押し込んであとはクランプを使いすこしづつ押し込みます。きつすぎると、二度と抜けないくらい硬く入り込み一から作り直しになりますので無理は禁物です。

最後に蟻溝の入り口を埋木しておきます。このとき吸い付き蟻桟が動けるスペースを空けておく必要があります。そうしないと埋木が押し出されてテーブルの端から飛び出してきます。

重要なのは、木の動きを抑えつつ自由に動ける余地を残す構造にする事だと考えます。

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