曲木技法5〜蒸気曲げ2〜
蒸気曲げのつづきです。
スチーマーに入れた材料はどのくらい蒸せば曲がるのでしょうか?
材料の樹種や質にもよりますが、日本では1寸で1時間といわれ、海外では1インチ材以上は1時間以上といわれています。長く蒸せば曲がりやすくなるかと言えばそうではなく、長時間熱を与え続けると材が脆くなり曲げたときに破損したり、変色がおこります。今回は30ミリ角のブナ材ですので1時間弱蒸しました。
蒸しが完了したら、柔らかくなった木を冷めないうちに素早く型に当てて曲げます。曲げるにはかなり力が必要ですので、クランプでしっかりと固定出来るように、丈夫な型を作る必要があります。
曲げていく過程で部材の内側は圧縮され外側は伸びる力がかかります。注意が必要なのは外側で、こちら側にも型を当てておかないと部材が破損します。帯状のうすい金属でできたベンディングストラップというものを当てて引っぱり応力に耐えるようにします。複雑な曲げや急なRの場合凸凹の両方の型を製作し挟み込むと確実です。
必要な形に曲げる事ができたら、固定したまま乾燥させます。乾燥が十分でないとスプリングバックが起こったり、部材が割れる場合もあるので十分に乾燥させましょう。