椅子の製作行程7
椅子作りもいよいよ最終段階。今回は塗装です。
塗装法はいろいろとありますが、キグミデザイン&クラフトでは漆、オイル、ワックスを基本にしています。いずれも、木の木目を生かした仕上げが可能です。
組み立て前の段階で、十分にサンディングを行い素地調整ができていればそのまま塗装に入ります。しかし、組み立ての段階ではみ出た接着剤のふきとりが不十分であったり、クランプが当たって傷が入る場合もあります。接着剤が付いていると塗料がのらないので注意してください。小傷の場合は、濡らした布とアイロンで直ります。アイロン後は素地が毛羽立ちますので、もう一度軽くサンディングしてください。塗装で最も大事なのは、素地の調整ですので十分に時間をかけて行います。
市販の調合オイルを使う場合は、刷毛で十分に塗布し、しばらく置いて十分にオイルをしみ込ませます。その後余分なオイルを布で拭き取ります。このとき、拭き取りが不十分だといつまでも塗料が乾かずべたべたとします。木の種類にもよりますが、木口面などは一度吸い込んだオイルも木の呼吸とともに、もういちど吹き出してくるので良く拭き取ってください。
純正の乾性油を使う場合は、調合オイルの行程に加えてウェットサンディングや油研ぎと呼ばれる行程を行います。オイルの塗布後、目の細かい耐水ペーパーでサンディングします。こうする事により、オイルと木の研ぎかすのまざったものを道管の中に押し込んでオイルの乾燥とともに固めます。十分な乾燥を行った後、この行程を繰り返します。そうする事により、だんだんとツヤが増してきます。やりすぎると、ピカピカになり下品ですので2回程度で十分です。
塗装を行う事により、素材の魅力を十分に引き出すことができます。
写真は、完成したブラックチェリーとメイプルで製作したウインザータイプの椅子です。同じ塗装を行っていますが、材種によってその表情が異なるのがわかると思います。